新型コロナウイルスと当院の対策
新型コロナウイルスについて
新型コロナウイルスに関しては日々多くの情報があふれていますが、必ずしも正しくないもの、不安をあおるものもあります。現在世界各国からは多くの症例、研究にもとづいた論文が発表され特徴が明らかになってきています。小児例に関しては概ね以下のようなことが明らかになっています。
- 新型コロナウイルス感染症患者の中で小児が占める割合は少なく、その殆どは家族内感染である
- 小児では成人と比べて軽症で、死亡例も殆どない
- 殆どの小児新型コロナウイルス感染症の症例は経過観察または対症療法で十分とされている
日本小児科学会HPより
また感染時期に関しては、以下のような報告があります。
- 新型コロナウイルスは症状が出現する前から人に感染する可能性がある
L.Ferretti Science 2020より
小児においては過度に心配する必要はありませんが、家族内に感染者がいる場合には注意が必要です。症状がなくても誰もがうつす可能性、うつされる可能性を考え行動するこどが求められています。
新型コロナウイルス感染症は「飛沫感染」「接触感染」が主な感染経路とされています。ただ同じ空間にいるだけですぐに感染するわけではありません。
飛沫は咳、くしゃみだけでなく通常の会話でも広がっています。飛沫感染を防ぐにはやはりマスクの着用が重要です。しかし、2歳以下のお子さんにつけさせるのは好ましくありませんし、2歳以上でもどうしてもマスクをすることが難しいお子さんもいると思います。家族内感染を防ぐためにも周囲の大人が感染源にならないよう気を付けることが大事です。
接触感染の予防も必要ですが、汚染された場所に触れただけでいきなり感染するわけではありません。触れた手でそのまま口、鼻、目などを触る事で感染する危険性があります。これを防ぐにはこまめに手洗いをすることが重要です。
「マスク」「手洗い」基本的なことですがこの二つが重要になります。
当院の取り組み
院内での感染を防ぐために以下のような取り組みを行っています。
- 予約システムを導入し待合室が密にならないよう努めます。
予約時には熱やその他の症状の入力をお願いいたします。発熱などの症状がある場合には状況によってご連絡させていただき、症状の確認をさせていただいたり来院時間の調整をさせていただくことがありますのでご協力ください。 - 症状に応じて待合室を分けています。それぞれの待合室は使用ごとに消毒をいたします。
- 院内はこまめに換気と消毒をいたします。
- 受付には感染予防のためにアクリル板を設置しております。
- スタッフはマスクを着用し手指衛生に努めています。
来院時には2歳以上のお子さん、付き添いの方はマスクの着用をお願いいたします。
現状では通常の風邪症状と新型コロナウイルス感染症を臨床症状だけで判断するのは特に小児では困難です。かといって風邪症状の方に全員に新型コロナウイルス感染症の検査を行うのは現実的ではありません。もともと子どもは感染症にかかりやすく、他にも注意すべき病気が多くあります。当院では新型コロナウイルス感染症を含めて、うつさない、うつされないための対策を講じたうえでしっかりお話を聞き、丁寧にお子さんの様子を診察することに努めます。